校長室だより 平成28年度 第6号

卒業証書授与式にて校長より(平成29年3月1日)

卒業証書授与式にて校長より(平成29年3月1日)

 柔らかい早春の風が感じられる、今日の佳き日に、PTA会長、福丸由美子様、本校同窓会 真澄会 会長、加藤 廉様、岡野中学校 副校長 上原 浩様、本校PTA・平沼会・真澄会役員をはじめ、多くのご来賓の皆様の、ご臨席を賜り卒業証書授与式を挙行できますことを心よりお礼申し上げます。 いつも生徒の活動を励ましていただきありがとうございます。
 114期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。これまで皆さんが積み重ねた努力を心から讃えたいと思います。
 また、この日まで長きにわたって皆さんの勉学を支え励ましてこられた保護者の皆様のお喜びはいかばかりかと存じます。誠におめでとうございます。
 本日のこの喜びは、卒業生の皆さんのたゆまぬ努力の結果であることは言うまでもありませんが、皆さんが「今ここに在ること」は、皆さんのことを絶えず気遣いながら、支えてくださったご家族を始めとする周囲の方々の励ましの賜物です。卒業という人生の一つの節目において、そのことを改めて胸に刻んでいることと思います。

 さて、卒業生の皆さんは、平沼高校で3年間、学業、学校行事、部活動と全力で走り抜き、充実した高校生活を送ってきました。小野 前校長先生のご指導のもと、本校の歴史に新たな風を吹き込み、更なる飛躍の第一歩を記してくれたと感じています。
 平沼高校で過ごした日々は、皆さんにとってどのような時間だったでしょうか。この体育館で入学式に臨んだときの自分を思い出してください。そのときの自分と、今の自分とは同じですか?違っていますか?どこが変わりましたか?
 これから皆さんが進む道は、決して平坦ばかりではないかもしれません。歴史の中で、人が様々な苦難を乗り越え、それを踏まえて創りあげられてきたものがあります。受け継いだ私たちにとって、それは「いつもあるはずのもの」であり、「守らなければならないもの」です。ところが最近、その「いつもあるはずの」「平和」や「国際協調」が、いつのまにか揺らいでしまうのではないか、と思う瞬間があります。

 横浜平沼高校は、平成28年度より、グローバル教育研究推進校の指定を受け、皆さんの取組みにも変化が見えたと思います。さて、この「グローバル」という言葉ですが、この言葉が、頻繁に使われるようになったのは皆さんが生まれる10年ほど前、1989年以降と言われています。ベルリンの壁が崩壊し、いわゆる東西の冷戦が終結していく世界情勢のなかで、それまでの「資本主義・自由経済」と「社会主義・計画経済」といった二項対立ではなく、〝世界を全体としてひとつととらえる〟という発想が、「グローバル」という概念です。「世界をひとつとしてとらえる」ことは、世界を単一化するということではないと思います。なお一層、個に着目し、様々な個が存在すること、そして個は個として大切にするということへの意識が高まることとなるはずです。ただし、それは、個がそれぞれの独自性をただ主張し合うということでもないと思います。それぞれが違うこと、その違いを認め合うこと、つまり多様性を認め合うことから始まるのだと思います。多様性を認め合うということは、価値観そのものも多様化するということです。
 皆さんが、これから生きていく時代は、新たな世界の捉え方ができつつある、まさに変化の時代であると思われます。先人たちの生き方や方法を学ぶだけでは解決しない課題に出会うことも多くなるでしょう。

 人はみんな考え方が違います。だからこそつらい時もあれば、また楽しくもあります。この違いをいやがるのではなく、ぶつかることを恐れず、それぞれの個性として認め、尊重し合い、自分自身も周りの人も大切にする人になってください。心の通う友人がいることを自分の誇りとするような人になってください。そして、社会に貢献する人になってください。何も大きなことではありません。あなたの最も近いところにいる人を大切に思うこと、そして行動すること、そのことの積み重ねが社会貢献であると思います。今までもそうしてきたように、これからもずっと続けてください。

 私たち一人ひとりの中に、「お互いに貢献する」という意識がある限り、「いつもあるはずのもの」そして「守らなければならないもの」を守ることはできると考えます。本当の意味でのグローバルな社会の実現のために、皆さんの知恵と力が大いに期待されるところです。
 今日の門出は、新たな学びへのスタートです。今日まで学び、身につけたものを基に、さらに豊かな自分を育ててください。

 昨年ノーベル医学・生理学賞を受賞された、大隅 良典 東京工業大学栄誉教授が、受賞を前にストックホルムで 記者会見した際に、こう言っておられました。「日本では、科学は「これだけ分かった」と教育される。しかし、「こんなに分かっていない」ということを知ることが大切だ」と。ぜひ、学び続けてください。
そして、あきらめず、逃げることなく、投げ出さず、自分を大切に育ててください。
 困難な場面にあったとき、
  ・あきらめるのでなく、ゴールへの道順を変えてみる
  ・逃げるのではなくて、見方を変えてみる
  ・投げ出すのではなくて、ちょっと距離を置いてみる
 平沼高校で過ごした時間が、皆さんに、そのような柔軟さをもたらしたと信じています。
 あなたが生きていくことは、あなた自身のためだけではありません。あなたがそうされているように、あなたの生き方が他の誰かの生きる力となっているのです。皆さんの未来に大いに期待しています。

 さて、平沼高校で皆さんの学びを支えてきた本校の職員は、皆さん一人ひとりの個性を尊重しつつ、社会の一員として、主張すべきことと、他者の意見を尊重すべきことをきちんと見極めることができるように、そして高い理想を持ち続けるように、皆さんを励まし支えてきました。ときには悩み、苦しんできました。その一瞬一瞬は確実に皆さんの成長のために捧げられてきました。

 保護者の皆様には、本日まで、学校の教育活動の深いご理解をいただき、心より感謝申し上げます。

 それでは、卒業生の皆さん、皆さんの新たな一歩とそれに続く輝かしい未来に、心から期待して、式辞とさせていただきます。お健やかに。

卒業式のイメージ画





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